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来談者中心的療法

指示的療法

論理療法 米国のアルバート・エリスによって提唱された心理療法。人の悩みと言うものは「出来事そのもの起因するものではなく」「その出来事をどう受け止めるか」による。つまり考え方次第で悩みは消えると言うのである。従ってクライエントとカウンセラーが一緒になって考え方の是正を図る療法。認知行動療法の元になった手法である。 現在は日本ではこれを行えるカウンセラーは極めて少ない。これを元に認知療法、認知行動療法へと発展したせいもある。
 アドラー派心理療法 アルフレッド・アドラーとその後継者達の理論に基づくカウンセリング。フロイト派の擬似親子関係を治療の前提としているのに対し、相互信頼・相互尊敬に基づく対等の協力的交友関係を前提にしている。従って通常は一つの問題に焦点を絞り、その解決を共通の目標として合意し、10-15回の面接で終了する。解決策の助言は常に具体的な行動について積極的といえる程に行い、実生活で実験してみるよう勇気付ける。 病気の治療も行うが主として、人間関係や家族間の問題や育児の問題を得意とする。
認知療法 人間の病理(神経症)は誤った学習、行動、考え方、記憶に基づいていると捕らえ、このような認知的歪が固定すると自己を否定的に捉える様になると考えた。従ってこの認知的歪を変える事によって行動の改善を計ろうとするものである。特に「うつ病者」の認知の偏りに着目し発症状況の分析と解説を通して、認知の関係を再構築する。  
認知行動療法 認知療法や論理療法、自己教示トレーニング等を基にして作られた。当初は「うつ病」を対象として人間の内的媒介過程(認知)と振舞い方(行動)の両方から、その人のクセを見つけ、それを再構成して建設的な信念(認知)、行動に是正しようとする方法。カウンセラーとクライアントが共同で同じ目標に向かって共同作業をするのが特徴。効果が非常に良い事から現在はうつに留まらずパニック障害や統合失調症にまで広がって来ている。 現在日本で急速に広がりつつ ある方法。今の所カウンセラーの養成が追いつかない状態。

非指示的療法

傾聴法 現在、日本で最も普及している療法。米国のカール・ロジャースが開発した手法。其れまでの原因と処方を指示しようとする従来の方法を批判し、クライエントの中に存在する成長への力を信頼し、非支持的、受容的に見守り、クライエントに気づいて貰う方法である。カウンセラーの積極的な傾聴がクライエントの気づきを促進させると言われる。  
 内観療法 森田療法と共に日本で開発された療法。元々は浄土真宗の一派に古くから伝わる「見調べ」と言う就業法を吉本伊信が宗教色を取り除き一般人にもできる方法として確立した。この方法は①父母配偶者など身近な他者についてA:して頂いた事。B:して返した事。C:迷惑を掛けた事。の三点につき、具体的に想起する。②これを聞く側はただ聞いているだけで一切の批判、論評を加えない。③この課題を1週間徹底して行う。と言う極めて単純、標準化された方法が特徴。   他者への愛惜や感謝の念がしみじみと感じられ、心身症や神経症、一部の精神病に効果がある事で徐々に広がり始めている。