家族の人間関係


1.家庭内の夫婦間の人間関係が良くないケースもしばしば有ります。今は高齢者の社会ですから、私の近くでも、「今日は何処に行くのか、いつも出かけて!早く帰って来い」と言う夫。「毎日のご飯に不味いとか、早くしろとかイヤになっちゃう!」と愚痴る妻。高齢者の場合は一日中一緒ですから、特に夫婦間の中を良く保つのは難しいことかも知れません。

 現役時代も良く職場でこのような夫婦のけんか?を話し合っているのを聞いた事が有ります。毎日顔を合わせる「夫婦」ですから、中が良くないことはとてもストレスになります。


2.まず夫婦のけんか、或いは言い争いは通常たわい無いことが多いです。大きなけんかでも発端はたわいない事から始まる事が多いのです。要するに大した問題からではありません。ですから、このような事を避ける事はほんのちょっとした心がけで出来るのです。此処では通常の夫婦のたわいの無い言い争いを避ける事を考えてみる事にしましょう。夫婦が仲良くして居る事は子供の発達に取ってとても重要ですから、特に子供が小さい時は仲良くしていたいです。


3.中には本質的に合わない夫婦も居る事は有り得ます。このような夫婦は早く離婚したほうが良いです。例えば夫(妻)がとても浮気性で、いくら注意しても止めない。或いは競馬狂でどうしても借金地獄になる。直ぐに夫が暴力を振るう。等のような特殊な場合は離婚が解決の早道の場合も有り得ます。私達もカウンセリングで離婚を勧める事も当然あります。このような特殊な例は此処では扱わないことにします。


4.夫婦が言い争いをする時、或いは夫か妻が先に相手に注意する時の一例を挙げてみます。
 妻:こんな遅くに毎日酔っ払ってきて何よ!
 夫:これも仕事のうちだ!男は外に出れば7人の敵ありだ!少しは理解しろ!
 妻:遅くなるならなるで、連絡くらい下さい。食事が冷えてしまって駄目になっちゃうじゃない。
 夫:仕方が無いじゃないか。電話できない時も有るのだ!誰に食わしてもらっていると思っているんだ!

・・・と、だんだんエスカレートします。たわいない事から始まっていますよ。


5. どうしてこんな会話になるのか、を簡単に言うと「貴方間違っている人」「私正しい人」或いは「無茶な貴方」「可哀想な私」という発想から出てきます。このように「私正しい」「あなたが間違っている」とお互いが想定して言い争いになるのです。このように「正しい」「正しくない」と考えている間は、問題は殆ど解決しません。


6.ではどうすれば良いのでしょう。どう考えればよいのでしょう。夫婦間だけでなく、このあとの嫁姑の関係でも同じですから、建設的な考え方を示しましょう。それは、このような事態が起こった時に「何が正しくて、何が正しくないか」と考えるのではなくて、「この問題を解決するのに私に出来ることは何か」と発想するのです。

 ちなみにどんな問題でもこのように考えられる事が、人間として最も謙虚で且つ責任ある態度です。特に家族間の人間関係は感情論が非常に入りやすいですから、特に気をつけるべきです。


7.
先の会話例で考えてみましょう。夫が連絡も無く酒の匂いをぷんぷんさせながら、酔っ払って帰ってきました。このような時に「私に出来ることは何か?」と考えられる妻なら「こんな遅くまで、仕事のお付き合いも大変ね、ご苦労様」と言えるでしょう。こう言われれば、夫の方も多少はやましい気持ちもあるわけですから、「悪い事をしたな」と内心では謝罪の気持ちを持ってくれるでしょう。これで良いのです。こういう態度と会話が出来るようになると、夫婦仲も悪くはならないでしょう。


8.先の会社や学校での人間関係と同じで、嫌な段階があります。やはり3段階です。

 (1) 何時もは忘れているが、何かの時に言葉の「けんか」になる。
  (2) 言葉のけんかの時、「貴方はいつもこうなんだから」或いは「お前はいつもそうじゃないか」と言う言葉が出るようになるとかなり酷いです。
  (3) 夫婦間は「愛のタスク」問題と言って、10cm或いは0cmでもOKですから、近づいても普通何とも無いですが、とても其処まで行けなくなった。或いは触られるのも嫌と成った段階では解決が難しくなります。

二人が何とか解決したいと思い家族療法(夫婦二人でカウンセリングを受ける)を行わないと解決は難しいです。もし、二人が解決して仲良くなりたいと考えるなら二人で集談会にいらして下さい。解決できます。