若者とメンタルヘルス

 最近、集談会に来る人の中に、会社で他人の思惑が気になる(軽度の対人障害)。や大勢の中に入りにくい。とか会話が弾まない。更には劣等感に悩まされて、他人が良く見えて自分は役に立たない人間なんだ。と思っている人がかなり多いです。もう一つは20代を超えているのに親に連れられてくる人も結構居ます。(親だけの場合も有ります)


 このような現象は極最近になって増えてきているように思います。これらの人に対して、森田理論を直ぐには適用出来ないように思います。私はこのような人を「自信喪失症候群」と呼ぶ事にしたいと考えました。このような現象はどうして起こるのでしょうか。私は個人的に引き篭もりや不登校児童と接して居ますが、このような人と似ているようにも思います。
 
 でもこの現象は非常に根が深いような気もします。豊かになった社会と関係が有るかもしれません。先日の新聞記事ですが米国や欧州にもこのような若者が増えているそうなのです。生物の世界は本来非常に貧しいのが、生物誕生以来の現象で全ての生物がこれに対応するように出来ているらしいです。ですから、食べ過ぎて「糖尿病」や「高脂血症」に成るのと似ているのかも知れません。

 男子の精子が薄くなって居るのは、一頃「環境ホルモン」のせいではないかと言われていましたが、ある部分は長い間世界的な戦争が無くなって居る事と関係が有るのではと発表した学者も居ました。

 杉花粉も山の手入れが非常に悪いため間引きが行われていません。そうすると細い杉の木が多くなります。そうした細い杉の木は此処は適した場所では無いと感じるのか、たくさんの花粉を発散させるそうです。

 又、現在アトピー性皮膚炎が非常に増加していますが、戦前・戦中世代は回虫という寄生虫を持っていた世代でもあります。今注目されているのは、この回虫が居る人や居たことが有る人はアトピー性皮膚炎にならない事が判って、何故なのか研究中です。

 もう一つは医学が発達したため、流産しそうに成った人も今では殆どが助けられます。本来流産の原因は80%は胎児側にあるのだそうです。しかもこのように生まれてきた子が又、医学の発達のせいで子供を生む事が出来ます。

 ですから人間自身が非常に弱くなっているのが現状です。従って「自信喪失症候群」もこのような生物本来の機能が豊かになった社会の中で影響しているのかも知れません。このような状況で一概には言えませんし、我々レベルではどうしようもない事柄ですから、横浜第2集談会では一応「精神的な自立」が出来ていない若者にこのような現象が有るのだと考えて対処する事にしています。